多様な環境に対応できるインサーレーションに悩む
登山のインサレーションはそれなりに迷います。防寒着となると休憩時など用にパパっと決まり、暑すぎても特に問題ないのであとは、ダウンか化繊か、ほかのウェアとのレイヤリングで決めることが多いです。ただ、インサレーションは、日が差す中で暑い暑い言いながら登るシーンから、日が陰ったり稜線で風が吹いたり寒い中で歩くシーンまで、幅広い温度差、風の強弱、自身の発熱の有無を想定しながら決めないといけません。ちょっと考えすぎ?
もちろんレイヤリングしているので、熱くなったら脱げばいいし、寒くなったら着ればいいのですが、登山の最中はそれが結構頻繁に切り替わります。陰に入ったら寒くなるし、急に風が吹き出して急に止まることもよくあること。安定した気候の中を、同じような環境で、同じようなペースで歩き続けるのはあまりないのです。
同じようなペースというのは、同じような負荷を一定にかけ続けるという技術が上がってくればカバーできそうな気もします。汗をかきそうならペースダウンし、寒いならペースアップ、しかし体力の問題もあるしそうそううまく調整できない。
いつもだと、これ以上脱げないというベースレイヤに、薄手のインサレーションとウィンドシェルかソフトシェルを組み合わせているのですが、環境変化が大きいとちょっと悩みます。厚手だと小回りが利かないし、薄手すぎると心もとない。
実際問題そこまで困ったことはないのですが、プランを練る時に延々とベストな解を考えてしまうのです。そんなときにふと目にした記事がこちら。確かに!とちょっと思ってしまいました。
ベストという選択肢
でもベストってあんまり見かけないです。ちょっと腕部分を足したらもっと暖かくなるので、わざわざ腕部分がない理由がそこまで強くない。ただよくよく考えると、腕部分って温度調整できないんですよね。前や横を開いて換気できるウェアはよくありますが、腕部分を開くというのはない。敢えて保温を弱くしているものはありますが、着てしまうとどうしても一定量は暖かくなってしまいます。
また通気性がとても高い系のウェアは暖かくなる環境を選んでしまう。ウィンドシェルと組み合わせたら急に暖かくなるし、単体では寒い。風ないなら単体でも暑い。ちょうどよい環境があればぴったりはまるのでしょうが、その環境というのが若干狭いんじゃないかな、と懸念しているわけです。
それに対して、ベストは腕部分がない。なので前を開けて開けば、換気ができる。着ていないレベルとは言いませんが、かなりの熱が放出できる。前を閉じると体幹が暖かくなる。つまり着たままで、変化する環境に対応できるポテンシャルを秘めているのではないかと思えてきました。
よさげなベスト
ベストにもいろいろありますが、この条件を満たすのは、前が開けるタイプでそれなりに暖かい、吸湿性が高く、透湿性が高く、防風性もそれなりにはある、というようなタイプ。ペラペラのウィンドシェルタイプやオクタだけの防風性がほとんどないようなタイプはNG。
色々見ていると、アークテリクスのプロトンベストやATOM SL ベスト、パタゴニアのナノエア・ベスト、ナノエア・ライト・ベストあたりが要件を満たしそうです。
そしてお安く見つけてしまった、ナノエア・ライト・ベストをゲットしてしまいました。今は定価だと3万円弱もするようです。前からナノエアライトフーディは持っていて、その保温感や快適さは知っていたのでそれも後押しです。
そしてゲットしたのがこちら。
これを羽織るとほんのりと温かくなります。ベースレイヤにこれを羽織るというやり方で、温度調整がやりやすそうですし、これを超えるような風が吹く場合にはウィンドシェルなどを羽織るという運用です。
ハードシェル含めていろいろ羽織ってみましたが、着丈含めてちょうどいい感じ。着ぶくれして腕まわりがごわつくこともなく様々なウェアと合わせられそうです。腕が寒くないかとちょっと心配するところもありますが、そんなに厚くしない脚周りと同じと考えれば似たようなものかも。これはいろいろと今後試していきたいと思っています