シェイクドライは背負えるか
この冬衝動買いしたArc’teryxジャケットの一つがNorvan SL Hoodyです。
2017年くらいからのモデルですが、Gore-Texの中でも異色な、SHAKEDRYテクノロジーを採用したモデルです。
何が違うのかというと、これまではほぼすべてといっていいほど、Gore-texメンブレンの表地があったのですが、これを除いてしまっているところ。 Gore-texメンブレンはあまり強度がなく、保護のために表地が必要だったのですが、これの撥水性が落ち、保水するようになると透湿しなくなるという問題がありました。そこで、メンブレン自体の強度を上げて、表地をなくしてしまったのがこちらです。
ただいくつ欠点があります。
- 強度はやっぱり足りない。ザックを背負うなと…だいたいの商品は書いてあります。思いザックを背負うと肩や腰あたりが擦れるので、この耐摩耗性が足りないんでしょう。
- 色が黒だけ。Gore-texメンブレン自体の色は白だったと思うのですが、SHAKEDRYの場合は黒一色になります。アウトドアで使うことを考えると黒以外も欲しい。
ただ良いところも。
- 透湿性が驚愕の 98,000g/m²・24hrs !これはモンベルのサイクルドライシェルの場合。製品によって変わってきますし、Gore-texとして正式な値は出していませんが、これまでの2倍以上です。もはや驚愕の一言。耐水圧は相変わらずの 50,000mm以上 です。
- レインウェアっぽくない。一言で言えば革ジャンっぽいです。街着に使っても違和感ないかも。
- 軽い。表地がないため軽いモデルが多いです。トレランや自転車用のものが多い傾向。
ただ、2019年春に、モンベルからピークドライシェルというものの発表があり、軽登山にも使えるとアナウンスされています。
これまで背負えないと思っていましたが、軽い荷物であれば背負えそうだということもあり、ちょっと食指が動いてしまいました。
最初はピークドライシェルを見ていたのですが、あらら海外サイトでNorvan SL Hoodyがピークドライシェル+αくらいの値段になっているではありませんか。日本の定価は4万5千円くらいですから、約半額。
ピークドライシェルは裏地にマイクログリッドバッカーというGore-Tex Pro用の裏地をつけて強度を出しているようにも見えますし、これ自体どれほど耐久性があるのか不明。しかし、ユーザ投稿写真ではトレランザックを背負って走っている方多数。。。
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ポチ。
届いたNorval SL Hoody
届いたのがこちら。
羽織った感じは、他のArc’teryxの同サイズのレインウェアよりも少しタイトな感じはしますが、それでもサイズアップする必要はないくらいです。少しパツパツ気味になりますが中に薄手のダウンかフリースも着込める程度。夏山を中心に考えれば、無駄に隙間がない分ちょうどよいくらいです。
あとはザックを背負っても大丈夫か…というところですが、夏山の場合、水などを加えても5kgいかない程度。これまで破れたなどのレポートは上がっていないので多少は耐えてくれると思って、いろいろ試してみようかと思います。
あと旅行のときに念のために持ち歩いている軽量ウィンドシェルもこれで代替できそうな気もします。
(追記)モンベル ピークドライシェル
モンベルのピークドライシェルの実物を見る機会があったので比較です。
表地が同じはずなので結構似ているものを想像していましたが…別物の様でした。
革ジャンっぽいのはそうなのですが、それ以上にビニールっぽい。光を反射してかなりテカテカしていました。
そして、裏地がマイクログリッドバッカー?Gore-Tex Proの裏地に使われているものとは、見た目やさわり心地が違いました。メンブレンや表地が違うのでそう見えるのかもしれませんが、なんだかうーん?
全体的にテカテカ、そしてやはり背負えるようにか生地全体が厚めでした。Norvan SL Hoodyが120gに対して、ピークドライシェルは185gですのでそれ相応といった感じです。
それでも185gでかなり高い耐水圧と透湿性を誇りますのでなかなか魅力的。実物を見るのがこんなに遅くなったのは、売り切れで店頭になかなか品物が並ばなかったためでした。