富士登山 富士宮口から初挑戦

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備忘録までに

2020年はとうとう新型コロナの影響で、山梨県側からの吉田口登山道は閉鎖が決まったようです(2020/5/6現在)。毎年一回くらいのペースで富士登山をしていた身にとって、今年はどうしようかと考えていたところだったのでちょっと残念。

それにパルスオキシメーターが、症状の監視に使えるという報道があり、以前富士登山に使用していたパルスオキシメーターに検索が集まっているという通知もあって、昨年の富士登山を思いだすこととなりました。

富士宮口からの富士登山

今までは吉田口か須走口からしか登ったことが無かったので、今回は初の静岡県側から挑戦してみました。富士宮口からの登山というと、スタート地点の標高が高く、山頂までの距離が最短である代わりに、道が少し険しめというぐらいの情報は出回っていますが、実際に登山をしてみたところいくつも違いを感じました。

■アクセスが結構不便

吉田口登山道は、直行バスがあり、ツアーも多数。駅や駐車場から朝早くからバスが朝早く(4:30あたり)から出ており、アクセスに困ることはあまりありません。

最近夜着のバスは減っていますが、5合目には山小屋といいますか宿泊所がいくつもあるのでここで仮眠をとってから早朝出発もありだな、というところです。

ところがです。富士宮口は、個人的に早朝に登山を開始できるちょうどいい時間に到着するのが難しい。まず直行バスはありません。駅からのバスか、水ヶ塚駐車場からのシャトルバスか、タクシーかの選択です。タクシーは予算上却下。

駅からバスに乗ると、どうしても昼前か、遅くても夕方にしかつかない。つまり山小屋に泊まって、一泊二日の王道パターンでしか登山できません。これで5,6合目に泊まって朝早く出るというのも一案として考えました。しかし、時間をかなり持て余すことになり、たぶんその余力があれば7,8合目まで登ってしまいそうで、結局普通の混雑するパターンになりそうな予感。

そうすると、水ヶ塚駐車場からのシャトルバスとなりますが、これまた水ヶ塚駐車場へのアクセス時間があまりよくない。各駅からのバスはあるのですが、弾丸登山を避けてか水ヶ塚駐車場へのバスも、また水ヶ塚駐車場から登山口へのシャトルバスもそこまで早い時間、遅い時間が無いので、高所適合時間を踏まえると朝は9-10時前後のスタートとなり、日帰りで帰るにはちょっとスケジュールに余裕がありません。

いろいろ考えた結果、夕方に御殿場駅に向かい、御殿場駅からレンタカーで水ヶ塚駐車場へ。そのまま最終シャトルバスで5合目登山口に。夜21時前に登山口について、ゆっくり休んで22時過ぎに出発という案になりました。

そのままだと弾丸になってしまうので、事前にゆっくり寝て休みをとることが前提です。ただ今回うまく寝れずに結構睡眠不足になってしまったのは反省です。

夕方の御殿場駅。ここからも富士山がくっきり見えました。
水ヶ塚駐車場。ここでバスのチケットを買って出発です。富士山の方には転々と山小屋の明かりが見えます。
夜の20時。最終バスだというのにほぼ満席です。
到着した駐車場。バスが数台止められるスペースです。

■5合目の設備が比較的弱め

これは吉田口が例外といってもいいかもしれません。吉田口は登山しない観光客もたくさんやってくるので、お土産店はいくつもありますし、宿泊所も、24時間の屋根付き休憩所も、立派なトイレもあります。

しかし吉田口はお土産店が1つ。そしてちょっとした宿泊所、小さいトイレのみ。夜21時を過ぎると閉まってしまいますので、シャトルバスで着いた直後に少しお土産を見回っておしまいです。代わりに店の前の展望スペースにザックを置いて皆さん休憩しています。ただ、軒先くらいしか屋根が無いので雨が降ったら退避場所は無さそうです。登山口にこれだけあったら普通は御の字ですが、吉田口を見てしまうと見劣りしてしまいます。

こういうお店の前の展望スペースに皆さん座って休んでいます。

自販機はあるので水の確保くらいはできそうですが、それ以上は期待できず。売り切れも考えるとちゃんと準備してくるか、下山後に好きな飲料を飲むくらいです。

お土産店の上も展望スペースになっています。こちらは照明で煌々と照らされていて人は少なめ。食事している方もちらほら。左下に見えるのが休憩者の多い展望スペースです。

あまり時間をつぶすことも無いので、付近を散策したり、装備を確認したり夜景を眺めながら時間を過ごしました。この時間にいるのは皆さん似たようなプランを立てている方が多く、22時ごろから人が減っていきます。

展望スペースからの夜景。南側で海の方まで開けています。

今回、山頂での御来光は狙っておらず、渋滞を避けて少し遅れて登るつもりだったので、出発は22時半ごろ。このころには随分と5合目付近の登山者も少なくなっていました。

よく見る富士宮口の登山口です。

■道は登りやすい

急な道といわれている富士宮口ルートですが、個人的には登りやすい道でした。吉田口のような滑りやすいザレた道もあまりなく、急な岩場もありません。敢えて言えば道が細いうえに、登り下りでルートが同じなのでツアー集団にあたると長い間すれ違いに時間がかかります。

これは下りの時の写真。ずっと下の方まで見えています。
急といっても道は歩きやすいです。
下から見上げると山頂の方まで見通せます。

また登りは夜間の登山でしたが月明かりが明るくて歩きやすい状態でした。これも登山道が富士山の南側に位置しているためだと思います。代わりに下りの時は晴れ渡っていてとても暑いかったです。

■山小屋前はほとんど休憩できない

吉田口ルートでは、多くの山小屋があり、山小屋によっては広い休憩スペースや休憩ベンチ、また水や食料などの販売があります。

富士宮口でも似たような感じかなと思っていたら、結構違いました。6合目までは山小屋にも少しだけ明かりがともっていましたが、寝ているのか静かな雰囲気。7-8合目は基本就寝中な雰囲気で電気はついておらず、座るベンチなども無く、腰を下ろすスペースもあまりありません。山小屋ではない少し離れたところに座って休憩している方も多くいらっしゃいました。ほんとちょっと足を止める目安になる程度です。

6合目雲海荘。ここを通過するとほとんどの山小屋は夜間閑散とした感じになります。

これは登山をしたのが、ようやく晴れた9月入ったところだったので、シーズンが終わりかけているせいだったのかもしれません。もしくは夜間登山者は弾丸とみなして対応を減らしているとか。

ようやく明かりが灯ったのは9合目の万年雪荘になってから。

活気が出てきたのは9合目についてからでした。大体午前3時半。一泊二日で山頂御来光を目指す方のスケジュールにも少し重なってきたので、そのせいもあるかもしれません。食堂も開いていて多くの登山者でにぎわっていました。

■山頂手前で御来光が見えないポイントがありそう

吉田口だと山頂に間に合わず、登山道の途中で日の出を見ることもありますが、富士宮口は南側に位置しており、日の出がうまく見えないポイントが出てきます。

それが9合目を過ぎてから山頂までの区間の一部。特に日の出が早い7月などは、日の出の位置がより北側に移動しますので、その区間が広がりそうです。今回は山頂での御来光は狙わないと思いつつも、思ったよりペースが早く、周りの登山者のペースも相まって狙えるか狙えないかのぎりぎりのタイミングになってきました。

この時もここでとどまって日の出を見るか、山頂を狙うか、周りの方もザワザワ。

山頂直前の鳥居。なんとか日の出前までに胸突八丁を突破。
山頂すぐ横の小山から御来光。もう少し季節が早かったら左側が邪魔で御来光が見えない位置。

なんとか御来光の数分前というタイミングで山頂につき、すぐ横の小山から御来光を見ることができました。ただ9月でぎりぎり見えましたが、7,8月だと左側の山が邪魔で御来光が見えない位置になります。山頂についてさらに多少移動しないといけないというのも要注意です。

■下りはちょっと辛い

下り道に関しては好みがあると思いますが、個人的には吉田口の方が楽でした。ザレた急な道が延々と続く吉田口の下山ルートですが、コツさえつかめばざっざっと楽に下れます。渋滞もないですし3時間弱くらいで下れます。

富士宮口は登りと下りが同じでなおかつ道が狭いので、結構渋滞しました。休憩入れて下りは3時間半くらいでした。数値上あまり差が無いのは、吉田口は下りた後にトラバースで長々歩くせいかも。登りではちょうどいい段差も、下りだと膝にきやすいのでちょっと辛めです。ただ、眼下に小屋や駐車場が見えるのでゴールが分かりやすいです。

山頂側から下りを望む
景色は負けず
登ってきた道や駐車場が見える

次はどちらを選ぶ?

10時過ぎには5合目に戻ってきた今回の富士登山。そこからシャトルバスに乗り、駐車場でしばらく水分補給と休憩をして、レンタカーで御殿場駅に戻り、そしてようやく帰ってきました。

登山道の好みもありますが、やはりアクセスがつらいので次回登るとしたら吉田口になりそう。もしくは敢えて残る御殿場口かプリンスルートに挑戦です。

また、観光的な要素が少なめなためか、装備や体力がしっかりしたガチ勢が吉田口より多い気がします。皆さん結構元気に力強く登っている感じがしました。吉田口は登山というよりアミューズメント的な雰囲気がちょっとします。ちなみに今回もパルスオキシメーターは大活躍で高山病を免れました。

今回の装備

今回の主な装備です。基本夜間装備になるのでちょっとベースを厚めで攻めてみました。登山口からほとんどウェアを脱ぎ着せずに済んだ、ベンチレーションが抜群の厚手のソフトシェルは秀逸。ただ昼間に登るなら不要ですね。風が弱ければアクティブインサレーション系でもいいのですが、独立峰なので風対策はしておくのが良いと思います。

これに水と食料、ファーストエイド、ヘッドライト、手袋、帽子などなど、合計6kg弱の装備でした。

分類アイテム説明
ザックレインシャドウ26 アウトドライコンパクトで防水なので気に入っています。
ストックディスタンスカーボンZ 120cm軽いので固定長を使っています。当時珍しかった三つ折りタイプも増えてきました。
ドライレイヤドライナミック メッシュ 3/4 クルー定番のドライレイヤです。汗戻りしなくて快適。
ベースレイヤプリミノ140 L/S Tシャツ化繊とメリノウールの混合。夜間なので少し寒さ対策にしました。下りはこれ一枚でも暑い!
ミドルレイヤR1 Pulloverソフトシェルが調子よくて結局使わずです。
ソフトシェルUltimate Hoody Jacket脇のベンチレーションが全開できる珍しいソフトシェル。少し重めですが保温性と防風性もあり登りは基本着っぱなしでした。これを着て汗をかかないレベルの歩き方でのんびり登るペースです。最新モデルは軽量化されたけれど、ダブルジッパーで無くなったのが残念。
防寒着マイクロ・パフ・フーディ安く手に入れたので実践投入。山頂でソフトシェルの上から羽織ると確かにちょっと暖かかったです。
レインウェアBeta SL Hybrid Jacket活躍する機会なし。防風ならソフトシェルで事足りました。
レインウェアエバーブレス フォトンパンツストレッチするし、ベンチレーションもあるのでよく使っています。
パンツソフテック トレッカーズパンツよくストレッチします。寒くなったらこれにフォトンパンツを合わせて、ベンチレーションで調整します。
シューズスピードクロス4 GTX LTD防水ゲイターと合わせてローカットシューズ運用です。軽いのとフリクションが効くので結構活用しています。