ナノエア ライト フーディを買ってみた

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ナノエア・ライト・フーディ

パタゴニアのセールに合わせて、ナノエア・ライト・フーディを衝動買いしてしまいました。通常よりも三割引きの価格です。アウトドア系は、夏の終わり(8月下旬)と冬の終わりごろ(2月中旬)あたりから、今期のセールを行うことが多く、パタゴニア以外でもセールを見かけます。

 

このナノエア・ライトは、大人気となったナノエアを名前の通り薄く、通気性を上げたもの。ナノエアは60グラム・フルレンジ・インサレーションですが、ナノエア・ライトは40グラム・フルレンジ・インサレーションで3割減。通気性に至っては75%も向上しているそうです。

 

ナノエアとの違い

パタゴニアが提唱するハイアルパインキットを構成するウェアの一つで、着っぱなしというコンセプトをさらに徹底させた感じがあります。ナノエアは、寒いときにはミドルウェアとして、また行動中にはアウターとしても活用できるようなコンセプトでしたが、このナノエア・ライトはさらにミドルウェアとして特化した感じになっています。

  • ハンドウォーマー用ポケットがない
    手を突っ込んでおくポケットですね。胸のポケットしかありません。ただこのポケットは見た目よりずいぶん多いくて、スマートフォンを楽々入れられそうです。
  • プルオーバータイプしかない
    今期はプルオーバーしかありません。上から着ることを前提としてジッパーなどの干渉物を省いています。R1プルオーバーをよく使っていたのでこのコンセプトには賛成。ますますミドルウェアとしては使いやすくなります。
  • 裾のドローコードもない
    冷たい空気が入らないようにする裾のドローコードもありません。適切なサイズであれば結構ピッタリになるのであまり必要性は感じませんでした。
  • よりスリムフィットに
    ナノエアと同じスリムフィットですが、それよりもタイトに感じます。同じSサイズですが、脱ぎ着するにも結構難儀するくらいのピッタリさです。特に裾の部分が伸びないので肩を通すのが少し大変。XSも試着してみましたが、自分一人では脱げなくなるくらいでした。もう脱ぐ必要がないくらい着っぱなしであればいいのですけれどね。
  • 通気性がアップ(追記)
    ナノエアとの違いで書いたように、75%の通気性アップ。違いは生地を口に押し付けて息を吐くとはっきりします。ナノエアは結構息を通すのに抵抗感がありますが、ナノエアライトはすっと息が通る感じです。

少し驚いたのは、嵩というところではナノエアと大差ないところ。ぐっと圧縮すると小さくなるのですが、戻した状態ではナノエアライトが少し薄いかなという程度。縫い目も少ないですし、ナノエア・ライトはインサレーションが少ないなりに嵩が出ているようです。

…もしくはナノエアがへたってきたのかも。

 

着っぱなしが実現できるか

ナノエアでは暑すぎて雪山以外ではなかなか着っぱなしというのが難しかったのですが、これから秋冬着っぱなしで行けるかと試してみたいです。

R1プルオーバーの代わりになりそうな感じですが、とりあえず着てみたところ保温力はR1以上なので使い分けはできそう。肌触りはとても秀逸なので、ふかふかの布団に入ったままののんびり登山…とまでは行かなくても、快適な登山を期待します。

ただ重さがあまり変わらないのが残念。

ナノエアジャケット(実測321g) > R1プルオーバー (実測290g) > ナノエア・ライト・フーディ(実測280g)

フーディだから少し重いのかな。ナノエア・フーディは公称値385g、ナノエア・ライト・フーディが305g。これぐらいの差だと、寒くなりそうと思ったらナノエアを持ち出しそうなので、寒くなったら羽織る防寒目的ではなく、最初から着っぱなしで行けるかが重要なポイントになりそうです。

ちなみにナノエア・ライト・ハイブリッドは背中や脇の通気性が良さそうなので、着っぱなしにはできると思います。でもここまで削ってしまうとほかの選択肢も出てきそう。R1と変わらなくなるのではないかなーと思ったりもします。

 

(追記)最高の着る布団 2017.08下旬

ライトな割に結構嵩があるなと思っていましたが、腕の肘から先などは少し薄めになっています。均等にインサーレーションを減らしたというよりは工夫して嵩や暖かさを保っている感じです。おかげで室内などの無風状態でははっきりわかるほどの保温性の違いはあまり感じられませんでした。ただもっと蒸れてきたときに熱が外に出やすいとか、風が吹いたときに少し寒めになるような感じになるとは思います。

ちなみに感動したのがやはり着る布団的役割。ちょっと夜行バスに乗る機会があり、ナノエア・ライト・フーディを着て、足に毛布を掛けて寝ていたのですが、まぁ快適。上半身に布団が掛けられているような存在感と、それでも暑すぎず蒸れず快適さを保つこの性能。

最高の着るお布団です。

 

(追記)やはりへたっていた 2017.10中旬

ナノエアにも追るボリュームと思っていましたが、ザックに詰めたり選択したりを何度か繰り返すと、いい感じにナノエアよりも薄いのが分かるようになりました。

買ったばかりのときは、胴体正面などがふっかふかな感じでしたが、今は他と変わらない感じにつぶれているのが分かります。

とはいってもボリューム自体はナノエア比で3割減のボリューム相当なので、つぶれたというより、こなれたといった感じでしょうか。

それにしても秋山でもなかなか出番が来ない。

 

(追記)晩秋の塔ノ岳 2017.11下旬

天気予報では最高気温は数度の予報の中、鍋割山と塔ノ岳に行ってきました。日が出たり陰ったりしながらも終日良い天気でした。

上り始めはドライナミック+キャプリーンサーマルウェイトの上にナノエアライトで進みます。日が当たらないひんやりとした道を進むときにはちょうど良い。

林道が終わり、後沢乗越に向けて登りだすころにはナノエアライトを脱ぎます。日が陰ったり、風が吹いたりするとサーマルウェイトだととひんやりしますが、のぼりがきつくなるにつれてちょいど良いくらいになります。

その後も鍋割山を経由して、塔ノ岳に向かう間、ナノエアライトを着たり脱いだりしていました。やはり冷え込むとはいえ、日の光が当たると一気に暖かくなるのでナノエアライトでは汗ばんでしまいます。ナノエアライトは脱ぎ着するのが少し面倒なので、こういう時はフルジップのジャケットが良いかも。ATOM SLがピッタリそうでした。

塔ノ岳からの大倉尾根での下りは、日も陰ってきてナノエアライトでちょうど良い感じでした。

これからようやく着っぱなしで活躍できるシーズンになりそうです。