ATOM SL HOODY
以前ATOM LTとナノエアを迷い、そしてナノエア・ライト・フーディを買って、さらにポチってしまったのがこれ。この時期はセールが多いので掘り出し物を見つけると心揺り動かされますね。
去年の春くらいから登場したATOM LTの薄型モデルATOM SL HOODYです。ただ今現在アークテリクスのサイトには日本向け販売に記載が無くなっているようです。
ATOM LTが60g/m2のCoreloft™ インシューレーション、またATOM ARが120g/m2のCoreloft™インシューレーションに対して、ATOM SLは40g/m² Coreloft™ Compact インシュレーションを用いています。
数値だけを見ると60→40g/m2でナノエア→ナノエア・ライトと同じくらいかなぁと思いきや、もうぺらっぺら。
裏側から見ると、表が透けているのが分るでしょうか。本当に薄いです。Coreloft™ Compactというのは、保温性を10%減らし、さらに嵩を50%削減するというもので、目に見えて嵩がありません。むしろ何か入っているの?ぐらいのぺらっぺらぷりです。
レビューによるとウェット時は断熱効果が働き、薄いフリースのような感じらしいです。
また、脇下はATOM LTと同様に、そして腕の脇側の部分もフリース生地になっています。
ただし素材はポーラテック・パワーストレッチではありません。他のアークテリクス製品でも使われているソフトで伸縮性と空気透過性のある軽量フリース Torrent™ という素材です。柔らかくて、意外とポーラテックより風を通しにくいです。口をふさいで息を吹いても、抵抗感を感じます。ATOM LTより素材の防風性が高そうです。
また、インシュレーションが入っているのは、胴体の表と裏だけ。腕の部分はこんなメッシュになっています。
保温性はあまりないけれど、表面を肌から離してべたつき感を抑えています。表面の素材もATOM LTと同じTyono™ 20デニール。柔らかく、肌触りも良いです。
ATOM SL HOODYの出番は?
第一感想は、ウィンドシェルと薄型フリースを合わせたような感じ。軽量ウィンドシェルだと、パタゴニア フーディニやアークテリクスのスコーミッシュ・フーディなどがありますが、脇下の防風性が少し高まったと考えると、軽いウィンドシェルとしても使えそうです。一方で、胴体部分には薄いフリース程度の本力を持っているので、軽いフリース代わりにも使える感じ。
活動時には、空気の流れを作って熱を放出し、静止時にはインシュレーションで保温するというコンセプトらしいので、もしこれが実現できたらこれこそ着っぱなしにできそうです。デザインもいいですしね。
春から秋にかけては出番が来そうなので、さっそく山で試してみようと思います。
(追記)晩夏の金峰山で試してみました 2017.09上旬
当日の気温は10~20度程度。日が出たり陰ったりするいい天気。時折稜線の樹林帯を冷たい風がそよりと撫でていく程度の風。
ドライナミック+メリノウールNTS150 パターンクルー+ATOM SLという組み合わせ。
へたするとATOM SL不要じゃないかという雰囲気でしたが、あまりペースを上げない歩き方をしていると、寒くもなく暑くもなくちょうどいい感じでした。電車や大弛峠のバスの中でもほとんど違和感がなかったので、ほぼずっと着っぱなしだったと思います。
寒い思いはほとんどしませんでしたが、逆に熱くなったのは稜線の岩場で完全に風が止まった時。これは体から発する熱量を放出できずに暑い思いをしました。逆に樹林帯に入ってしまうと、木陰でひやりとした雰囲気なため、ちょうどよくなったくらいです。ただ樹林帯でもペースを上げてしまうとやはり熱量を放出できずにヒートオーバー気味になります。
近いものを一言でいうならば、ソフトシェルですね。軽い保温性のあるウィンドシェルですからそのままなのですが、アークテリクスのソフトシェルのラインナップはGAMMAシリーズなので、どちらかというとインシュレーションの仲間なイメージでいました。
防風性は今一歩劣りますが特に気になるレベルでもなく、ちょっと保温性側に寄っているけれど、脇のフリースを通して多少温度調整もしやすいソフトシェルといった感じです。アークテリクスはちょうどいいソフトシェルが無かったので(GAMMA LTは重い暑い)、春秋に活躍できそうなアイテムでした。
(追記)秋の日光白根山で試してみました 2017.10上旬
当日の気温は10度前後。晴れ。日が差すと20度ぐらいはあったと思います。
これまたドライナミックノースリーブ+メリノウールNTS150 パターンクルー+ATOM SLという組み合わせでトライです。
ロープーウェイからの登山で最初は樹林帯の中を歩きます。途中まではほぼ平坦な道なので快適でしたが、途中から急に坂になりました。樹林帯で風も無く、ところどころ日が差していてまぁ
暑い!
風のない樹林帯で日が差すと本当に暑い。前を開けて汗かきをかきながらの登りでした。脱いでもいいのですが、メリノウールはあまり耐久性が無いのでザックとか腰のベルトでダメになりそうで怖い。今後対策を練る必要がありそうです。
森林限界を超えると強めの風も吹き出し、ATOM SLがとても快適でした。周りの方はウィンドシェルやダウンを着ている方もいたので、ATOM SLもそれなりに保温性があるようです。ドライナミックとメリノウールのおかげか汗びっしょりでも全く汗冷えも無し。山頂から汗をかかない下りはとても快適でした。
ATOM SLはインシュレーションが少ないので、保温性はあまり期待できないかと思いきや、外側のシェルが風を止め、わずかなインシュレーションが中の空気をじんわりとどめてくれるため、行動中にはなかなかちょいどいいバランスをとってくれます。
問題はやはり樹林帯のハイクアップ。こればかりは脱ぐしか仕方ないですね。