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待望の化繊でダウンなみの防寒着
パタゴニアから新しいマイクロ・パフ・フーディがでましたね。
ダウンと同じような軽さで、ダウンと同じ保温性を謳う化繊のインサーレーション。
これまでダウンの軽さと温かさか、ラフに使える化繊かで用途や好みが分かれていましたが、本当なら両方のいいとこどりをした画期的なインサーレーションです。
重さが264gですから、ウルトラライトとはいかなくても、秋冬にミドルウェアやアウターに羽織れるレベルの保温性です。ただ表生地は10デニールですからぺらっぺらです。雪や雨は多少はじけると思いますが、こすれなどの耐摩耗性はあまりないと思ったほうがよさそう。
これからダウンを新調しようとしている方には、なかなか魅力的なウェアです。
マイクロ・パフ・フーディの役割
どんな役割を果たすのか。こういう新しい製品を考えるときには、これをいつ使ってどんな風に登山が変わるのかを考える必要があります。
例えば、ナノエアは暖かさと通気性、そして耐候性の高いバランスを有しており、着っぱなしで登山ができるという画期的な価値を出しました。結局着っぱなしできるのは冬山くらいですが、ナノエアライトならば秋も行けそう。
他にも、最近目を付けているのはミレーのティフォン50000のトレックパンツ。
待ち望んでいた防水トレックパンツです。これによって、雨が降りそうなときにオーバーパンツを面倒だなぁと思いながら履いたり、なかなか使う機会のないレインパンツを毎回持っていく手間が無くなります。手元に似たようなフォトンパンツがあるので購入していませんが、次の機会にはぜひ試したいアイテムです。望らくは、ベンチレーションと多少重くなってもいいから耐摩耗性を上げてほしい。岩に座ったら穴あきそう。
では、このマイクロ・パフ・フーディはいったいどんな風に登山を変えてくれるか。ただ今のところはダウンの代わりでしかないのではという感じです。まぁ当たり前と言っては当たり前なのですが、こういう画期的な製品には画期的な登山スタイルの変化が伴ってくれることを期待していたわけでちょっぴり残念。ただダウン自体には雨や汗に弱いという致命的な弱点があるため、これを補ってくれるのはとてもありがたく、化繊が新たな領域に一歩踏み入れた感があります。
特にダウン以上の活躍を見せてくれるのではないかと思うのは悪天候の時。雨や雪、風が吹き荒れてしまったときダウンを着ると水にぬれてぺちゃんこ。こういう時に耐候性があると助かります。
実際の環境を想定すると、そんなときにアウターを脱いで、ミドルウェアに着こんでなんてことをやる余裕はないので、アウターとして着ることが多そうな気がします。後はアウターに着たとして十分な耐候性はあるのか、、、これは試してみないとわからなさそうです。
ウェアの上にがばっと着こんでしっかりと守ってくれるようなものとすると、化繊のビレイパーカなどがあります。それらは同重量のダウンほどの保温性を謳いませんが、アウターでもガシガシ使える高い耐候性が売り。
マイクロ・パフ・フーディが最も活躍するのは、コンパクトさ軽さ優先の山行になりそう。そうするとマイスタイルに意外と合っていたりする!?
個人的な所感のまとめ
まとめるとマイクロ・パフ・フーディが合うのは次のような場合でしょうか。
- ミドル級のダウンをこれから新調しようとしている場合
普通のダウンを買うか、マイクロ・パフ・フーディを買うかを考える段階ならば、強力なアイテムです。すでにダウンを持っていたら悩みどころ。 - 過去にダウンのロフトがつぶれてひどい目にあった場合
長期の山行や雨や汗などでつぶれた経験のお持ちの場合にはいいアイテムと思います。 - ナノパフやナノエアでは行動着として寒い場合
厳寒期になりそうです。単純に運動量が少ないだけならば、ダウンで十分と思います。
結局魅力的だなーと思いながらも、しばらく様子見です。そのうち置き換えが進むかも?。
なおマイクロ・パフには以前から同じ名前の製品があります。全くの別物となりそうですので、購入時には注意が必要です。
(追記)マイクロ・パフ・フーディを見てきました 2017.9.16
休みを利用してパタゴニアショップに行ってきました。パタゴニアイチ押しアイテムなのか、入り口からものすごく目立つように展示されていました。
触った感触は、軽い!暖かい!でも弾力無い…。
他の製品と比べた時のざっくりとした感覚はこんな感じです。
マイクロパフ | ナノパフ | ナノエア | ダウンセーター | |
保温力 | 5 | 3 | 4 | 5 |
防風性 | 4 | 5 | 2 | 5 |
耐候性 | 4 | 5 | 3 | 2 |
弾力 | 1 | 3 | 5 | 4 |
暖かさは思ったよりありました。試着するとすぐに温かみを感じるくらいです。でもなんといいますかロフトに弾力が無い。引っ張られる肩のあたりとかはぺっちゃんこになっていますし、手で押すとすぐにつぶれる。もちろん手を離すとゆっくりとロフトが回復してきます。
既存製品で近いイメージは、モンベルのEXライトダウンジャケット。軽くて暖かいけど弾力が無くてすぐにつぶれる感じがそっくり。感覚的なところですが、しっかりしたダウンジャケットは軽く押しても抵抗するような弾力を感じてつぶれにくい。近いところでは、パタゴニアのダウンセーターや、アークテリクスのセリウムLTなどがそんな感じです。ナノエアはまた違った弾力ですが、ある程度以下にはつぶれにくい。
マイクロ・パフはミドルウェアとして着ると、ロフトを潰して魅力が半減しかねないので、やはりアウター用途として着るのが良さそうでした。内側に手袋などを入れる大きなポケットもありますし、もともとアウター志向なのかもしれません。
またマイクロ・パフは使い方を選びそうな感じもあります。ナノパフはいつでも気軽に羽織って、ラフに扱っても気にしない丈夫さがあります。一方、マイクロ・パフはそのポテンシャルを引き出せば、軽く、コンパクトで暖かい最高のアイテムになるものの、少し生地が弱めで間違った使い方をするとポテンシャルを失いそうです。少しとがった感じのあるアイテムです。
(追記)掘り出し物があったので入手 2020.5.6
海外のebayでついついマイクロパフが安く出ているのを見つけてしまったので入手。中古とはいえ定価の1/3以下です。
ロフトのつぶれなど摩耗具合も気になりましたが、お店で見たものと大差なし。むしろたまにぱふっぱふになっているものが展示してあって、こんなにロフトないよとちょっと気になったり。
結構お安く入手したので、日常使いから登山の防寒まで幅広く使えればと思います。